移動平均線(MA)のFXでのトレード手法や使い方

移動平均線(MA)の意味や計算方法、種類、使い方、トレード方法について、FX初心者やこれからFXを始める方向けに分かりやすく解説します。

 

移動平均線(Moving Average)とは?

MA(移動平均線)って何?

FXではトレンドというものがあって、一定期間上昇が続いたり、下落が続いたりすることを言います。トレンドを把握するのによく使われるのが移動平均線(Moving Average)です。

最初はローソク足の動きをわかりやすくしたようなものと思って良いと思います。トレンドを把握する以外にも使い方は様々ですので、後半で使い方を解説します。

 

 

MAの計算方法

移動平均線は一定期間の終値の平均を1本の線で表したインジケーターです。MAはかなりメジャーなインジケーターで、一般投資家からプロまで多くのトレーダーに使われています。

多くのトレーダーが使っているということは、意識されやすいとも言い換えられます。意識されているポイントが分かれば、売買ポイントを見つけやすくなります。

 

計算方法は、少しややこしいかもしれませんが、一応こんな感じなんだと知っておく程度で大丈夫です。例えば期間が5日の移動平均線だとしたら、

日数 終値
1日目 110
2日目 110
3日目 110
4日目 105
5日目 100
6日目 105
7日目 110
8日目 115

(110+110+110+105+100)÷5=107

6日目から移動平均線が始まったとしたら、過去5日間の終値の平均107が始まりとなります。次の日は、

(110+110+105+100+105)÷5=106

 

107と106をつなげた1本の線になります。これを続けていけば長い線ができて、大体の値動きを把握し、視覚的にわかりやすくなります。

ただ、この計算は勝手にチャートソフトが自動で計算して作ってくれるので、いちいち打ち込んだりすることはないので安心して下さい。期間と色を設定するだけで線を表示してくれます。

 

 

移動平均線の種類

MAには3つ種類があり、計算方法が違って、それぞれチャートに若干違う表示のされ方をします。こちらの画像はすべて同じ期間のMAですが、若干違う動きをしていますよね。

 

単純移動平均線(Simple Moving Average

SMAは一番スタンダードな移動平均線で、先ほどの計算方法で表示されるMAはSMAです。計算方法が単純でそのままな移動平均線です。

 

 

加重移動平均線(Weighted Moving Average

直近の価格に近いものほど重要度を大きくし、一定期間(n日)平均します。

[(当日の終値×n)+{前日の終値×(n-1)}+{前々日の終値×(n-2)}+・・+{(n-2)日前の終値×2}+(n-1)日前の終値〕÷{(n+(n-1)+(n-2)+・・・+2+1)}

…。

あまり使っている人は見たことないです。初心者の方はこんなのがあるんだなくらいに思って良いと思います。

 

 

指数平滑移動平均線(Exponential Moving Average

EMAは1日目はSMAと同じ計算方法ですが、2日目からは次のようになります。

「前日の指数平滑平均+k×(当日終値-前日の指数平滑平均)」k=2÷(n+1)n=期間

EMAはSMAやWMAよりも早い動きなのが特徴です。他のMAはのんびりゆっくり動きますが、EMAはちょっとした動きにも過敏に反応します。

 

SMAは期間の平均を計算したものですが、EMA、WMAは直近の価格を重視した計算方法になっています。それぞれ表示のされ方は若干違いますが、使い方は全て同じです。

私はEMAをよく使います。SMAも場合によっては使ったりしますね。メリット、デメリットがあるので、これから解説していきますね。

 

 

移動平均線の性質「移動平均乖離率」

移動平均線とローソク足にはある性質があります。それはローソク足は移動平均線から離れていき、いずれ戻ってくる性質です。

どんどん移動平均線から乖離していってますよね。でもやはり戻ってきています。価格が急激に大きく動くと大きく戻るのはこのためです。

結局移動平均線に戻っていますよね。この性質が分かっていれば、買われ過ぎや売られ過ぎの判断も可能ですし、急激に伸びたところを逆張りでMAまで戻ってくるところを狙うことも可能です。

トレンド中であれば押し目や戻りのタイミングを測ることもできます。移動平均線とローソク足がどのくらい乖離しているかで値動きの強さやトレンドの強弱を把握することもできます。

 

 

よく使われている移動平均線の期間

MAの期間は人によって違いますが、多くのトレーダーが使っている期間はあります。

5、10、13、15、20、21、25、50、75、100、200、800

これらの期間を使っている投資家は多いので、つまりそこを意識している人は多いということがわかります。ちゃんとMAで価格が反応したりしているのはそのためです。

 

 

FXでのMA(移動平均線)の使い方

 

トレンドの把握

MAの一番基本的な使い方ですね。移動平均線が上向きだったら上昇トレンド、下向きだったら下降トレンド、横ばっていたらレンジ帯ということになります。

この画像は移動平均線が下向きなので下落トレンドですね。見る時間足が長ければ長いほど、強いトレンドと言えますし、短い時間足だとダマしが多いです。

 

移動平均線の向きも重要ですが、ローソク足と移動平均線の位置関係でトレンドの強弱、トレンド転換を確かめることができます。

上向きの移動平均線があるとして、その移動平均線よりも上にローソク足がある場合上昇トレンド継続、あるいは強い上昇トレンドと言えるでしょう。

 

ローソク足が移動平均線を下回った、あるいは移動平均線に接した場合、押し目となるか、トレンドが弱くなってきていると言えます。

移動平均線とローソク足は離れたり、くっついたりする習性があるので、その動きで押し目や戻り、トレンドの強弱などを見極めたりもします。

ローソク足の意味や種類をわかりやすく解説

 

 

売買サイン「ゴールデンクロス」、「デッドクロス」

短い期間の移動平均線と長い期間の移動平均線2本を表示させると売買シグナルを表示させることができます。

例えば、20期間と75期間の移動平均線を表示させたとして、20は75よりも細かい動きをしてローソク足に近い動きをします。

 

滑らかに動く75のMAを20のMAが下から上抜いたらゴールデンクロスで買いのサインです。上昇トレンドが来ますよというサインです。

逆に75のMAを20のMAが上から下抜けたらデッドクロスで売りのサインです。FXの教科書的な考え方です。

 

こちらがゴールデンクロスで、

こちらがデッドクロスです。

抜けてからトレンドが形成されていますよね。

 

しかし、抜けたと思ったらすぐに逆方向に再度抜ける「ダマし」と言われる動きも見られるので、必ず売買するべきという訳ではありません。

あくまで抜けたらトレンドが始まる可能性がありますよ程度に考えた方が良いです。教科書通りにいったり、いかなかったりするのが為替相場です。

 

この時の移動平均線の向きも重要で、2本の移動平均線が同じ方向を向いている方がより精度の高いサインということになります。

あとは移動平均線の期間や見る時間足次第でダマしをできるだけ回避することは可能です。この教科書通りにトレードすると、恐らく負けるのでおすすめしません。基本を学んで、そこからの応用が大切です。

レンジの場合は移動平均線を何度もクロスするので、そのような時はトレードしない方が賢明でしょう。

 

 

グランビルの法則

トレンドで移動平均線を使う場合8つの売買ポイントがあると言われています。(この画像は6つに省略しました)

昔から使われているグランビルの法則と言います。今でも使われていて、移動平均線とローソク足のくっついたり離れたりする性質を利用した売買法則となっています。

 

買いの場合は、最初にゴールデンクロスしたところで買い、一度長期MAを割ってきて上抜けたら買い、さらにMAに再度接したら買いの、3~4回買いのチャンスがあると言われています。

売りの場合は、全くの逆で同じように3~4回の売りのチャンスがあります。トレンドが続けば続くほど、同じように買い足していくこともできなくはないです。

 

ただ、実際のチャートでグランビルの法則の図のような綺麗な形にならないことがほとんどなので、これも基本としっかりと学んで、応用していくしかありません。

グランビルの法則を分かりやすく解説している動画がありましたので、詳しく知りたい方はこちらの動画を参考にしてみて下さい。

 

 

パーフェクトオーダー

パーフェクトオーダーは短期、中期、長期の3本の移動平均線を表示させて、3本が同じ方向を向いていると長期のトレンドのサインです。

この画像の移動平均線の期間は、黒が200、赤が75、青が25です。デッドクロスするまでトレンドは継続します。

レンジや短いトレンドではパーフェクトオーダーは発生しませんので、これが出た時は長期のトレンドの可能性が高いです。

ただ、エントリーするタイミングや決済するタイミング次第では負けることも全然ありますので、パーフェクトオーダーが出たからエントリーみたいなことはやめて下さい。

 

 

損切や利確の目安に

移動平均線は多くの投資家に使われていて、とても意識されやすいポイントになります。

意識がされやすいので、MA付近で売買は起こりやすいと言えるでしょう。なので、MAがレジスタンスやサポートになることも非常に多いです。もちろんそのまま抜けることもあります。

 

MAを使わないトレード方法だとしても利確や、損切ポイントとして利用することはできます。

MAが意識されていて、そこで値動きが止まったり、反発したりするからです。MAまできたら利確、このMAまできたら損切と目安にできます。

特に期間の長いよく使われているMAは意識されるので、注目してみて下さい。結構使えますよ。

 

 

MAのダマしの回避方法

MAの使い方によってはゴールデンクロスしたと思ったら、すぐにデッドクロスしたので決済をすると、またすぐにゴールデンクロスして、そのまま上昇トレンドになった、なんてことが起きてしまいます。

ダマしといいますが、相場がダマしている訳ではありません、トレーダーが勝手に騙されているのです。

 

それを防ぐにはMAの期間の設定が重要になります。短い期間だと動きが細かくなるので、その分ゴールデンクロスやデッドクロスしやすくなってしまいます。

期間以外にもSMAよりEMAが細かく動きますよね。余計なダマしを自ら増やすだけになってしまうので、そうならないような期間を設定しなければいけません。

 

長過ぎる期間だと反応が遅すぎて使えませんし、短過ぎるとダマしが多くなります。どちらでもない丁度良い期間設定をすると、余計な負けをしなくて済みます。

色々設定して試してみて下さい。トレード方法が違うので一概にこの設定が良いとは言えませんので、自分に合った期間を見つけるしかありません。

 

 

やり方次第ではMAだけで勝てる

トレード方法次第ですが、MAしかチャートに表示させていなくても勝つことは可能です。

もちろんゴールデンクロス、デッドクロス、パーフェクトオーダーのみの知識だけでは難しいとは思いますが、しっかりとした知識と経験があればMAだけで勝つことはできます。

 

私もインジケーターはMAだけでトレードすることはありますし(ラインは引く)、自分なりのMAだけを使ったトレード方法も持っています。

使い方次第では大きな武器になるので、MAは重視して良いと思います。

 

 

複数の移動平均線を使うインジケーター

個人的におすすめなのが、MAを何本も表示させるインジケーターGMMAとエンベロープです。

 

複合型移動平均線(Guppy Multi Moving Average)

グッピーという方が作ったインジケーターなのでGuppyで、複数の移動平均線を使うのでGMMAと呼ばれています。

その名の通り何本もの移動平均線(EMA)を表示して、より視覚化して把握しやすくするインジケーターです。

黒い移動平均線が短期で、赤い移動平均線が長期です。基本的な考え方は同じですが、GMMAが優れている点は2つあります。それは、

  • 1本1本の移動平均線の幅
  • 長期と短期の距離

で相場の状況が分かりやすくなる点です。

 

1本1本の移動平均線の幅が広がれば強いトレンドと見なすことができ、長期と短期束が離れていけばより強いトレンドと言えるでしょう。

あとは傾き、クロス、などの基本的な考え方は一緒です。1本の移動平均線よりも、より視覚的にわかりやすくしたものがGMMAです。

 

GMMAのダウンロードはネットで調べれば出てきますが、自分でMAを何本も表示して作ることも可能です。

私もGMMAはよく使いますし、パラメーターは自分の好みで設定しています。私が使っているパラメーターを知りたい方は連絡をお願い致します。

 

 

エンベロープ(envelope)

エンベロープも何本もの移動平均線を表示するインジケーターです。移動平均線から設定した一定の距離の上下に移動平均線を表示させるインジケーターです。

どのくらい移動平均線から乖離しているかを視覚的に把握しやすくすることができるインジケーターです。

中心よりも外側の移動平均線に接すれば乖離していると言え、外側であればあるほど乖離していると判断でき、中心の移動平均線に戻るところを逆張りすることが可能です。

ただ、やっかいなのが乖離し続ける時があるということです。エンベロープでトレードする場合はそこの点に気を付けてトレードしましょう。

エンベロープのFXトレード手法や使い方

 

FXでの移動平均線(MA)を使ったトレード手法

 

MAで押し目買い、戻り売り

MAで押し目買い、戻り売りをします。1時間足に20MAを表示させ、トレンドが出たら20MAで反発が見られる場合押し目買い、戻り売りをします。

MAを抜けた場合は再度トレンド方向に抜けたらエントリーします。

損切は安値を割ったら、利確はリスクリワードを考えて決めます。高値や安値を更新できずに戻ってきたら建値で切ります。

エントリーする際は1時間足だけで判断するよりは、5分足などの下位足でタイミングを見計らった方が良いと思います。結構押し目、戻りとして反発されやすさを生かしたトレード手法です。

もちろんダウ理論、プライスアクションなど他の要素も見て、相対的に判断してトレードして下さい。

 

 

200MAの反発で逆張り

統計上200MAはかなり高い割合で反発します。特に上位足では効きます。それを生かして逆張りします。

ただ、200MA以外にも抵抗ポイントがある方が好ましいです。例えば意識されそうな高安、ピボットポイント、フィボナッチリトレースメント、他の期間のMA、ボリンジャーバンドなどがあれば尚良いですね。

利確、損切はお任せします。

 

 

GMMAで方向性を

GMMAの短期が長期を上抜くまではその方向へのトレードのみします。トレンドに逆らわずにトレードします。視覚的にわかりやすいので、方向感が分からない人は結構使えるのでおすすめです。

長期に教えされたら押し目買い、戻り売りをしたり、トレンドの強弱も把握しやすい優秀なインジケーターだと思います。GMMA+ローソク足のプライスアクションがおすすめです。

 

 

移動平均乖離率を使ったトレード

MAから乖離したら逆張りし、短期MAで利確します。

前回高値付近までレートがきて、移動平均乖離率を生かして分割エントリーしたとします。1つ手前の高値で反発が見られたので、短期MAを利確ポイントの目安とします。利確ポイントが良く分からない人には良い判断材料だと思います。

 

 

これらの紹介したMAを使ったトレード方法は私が使っている訳ではありませんし、検証もほとんどしていません。例えとして挙げたトレード手法です。

ヒントとして使うなら良いと思いますが、このまま使うのはおすすめしないというか、やめて欲しいです。多分勝てないので。

私の使っている手法はこちらの記事にまとめてあります。良かったら読んでみて下さい。

 

 

移動平均線は、向き、角度、乖離、クロスでなどをヒントにトレードすることができます。エンベロープやボリンジャーバンド、GMMA、ストキャスティクス、MACDなど他の多くのインジケーターにも使われているほど基本的なインジケーターです。

テクニカルの基本中の基本で、かなり重要な分析方法となるますので、MAは必ず押さえておいて下さい。

MA以外にも基本中の基本のテクニカル分析はたくさんあります。いくつかまとめましたので、よければ読んでみて下さい。

トレンドラインを使ったトレード方法

水平ラインを使ったトレード方法

FXのチャートパターンの種類